2012年 09月 22日
フィリピンのお葬式
|
先週土曜日のこと。
3年半前に「肺がんの末期」と宣告されて闘病生活を送っていた
J-kunの高校時代からの大親友(フィリピン人)の
奥さんが亡くなられたとの知らせが。
心の準備が出来てはいたものの、
いざその日がやってきたら
J-kunも私もやりきれない気持ちでいっぱいに。
まだ38歳という若さで、
しかも7歳と4歳の子供を残して....。
そんなわけで、この一週間は
『フィリピンのお葬式』を経験したKanaboでありました。
ここでは、私の経験上/知識だけに基づいて、
フィリピンの(カトリック教の)お葬式が
日本のものとどのように違うのか、
少しお話することにしましょう。
【儀式】
フィリピンの中でも宗教、地域によってやり方に違いがあると思いますが、
基本的にはまずは「wake ( lamay / paglalamay)」
と呼ばれる儀式から始まります。
これは日本で言う「お通夜」と同じで、
棺に入れられた遺体が祭壇に置かれ、故人の冥福を祈ります。
これは故人宅で行われる場合もあれば、教会で行われる場合もあります。
日本と違うのは、このお通夜が「1日」ではなく、
「3日から長くて一週間」行われること。
これは、国内外含めてより多くの親族/友人らが
故人にお別れを告げられるようにするためだとか。
また、日本では確かお葬式の後に親族/近しい友人との食事会がありますが、
フィリピンの場合はお通夜でも食べ物が振る舞われ、
連日賑やかに過ごす習慣があります。
一通りのお通夜が終ったら「funeral & buriel ; お葬式と埋葬」へ。
フィリピンにお住まいの方であれば、
一度は見かけたことがあるかもしれませんが、
特に地方などでは、お通夜を故人宅で行った場合、
お葬式をあげる教会まで、棺を家族がかついで、もしくは霊柩車に乗せて運び、
その後ろを親族が歩いてすすむ「procession」というものが行われます。
そして教会でのお葬式の礼拝が終れば、埋葬へ。
フィリピンでは「教会」と「墓地」は全く違う場所にあります。
なので、墓地までまた車で移動する必要があります。
墓地についたら、また簡単な祈りの儀式があり、
棺が土の中に入れられたら、親族/友人ら一人一人が「別れ花(白い花)」を捧げ、
最後に故人とのお別れをして埋葬が終ります。
【埋葬の方法】
カトリック教では「土葬」が一般的とされていますが、
ここ最近では「火葬」も増えつつあるようです。
今回のお葬式でも、故人の生前からの希望もあり、
亡くなられた当日に火葬され、
既にお通夜から遺骨が入れられた骨つぼが祭壇に置かれ儀式が行われました。
【服装】
これは皆さんが特に興味を持たれる項目でしょう。
フィリピンの葬儀では、日本のような「黒い喪服」で参列する必要はありません。
(もちろん、それを着てもOK。)
特に赤などの派手な色は避け、落ち着いた色のものであれば、
カジュアルな服装でも問題ありません。
多くの東アジア諸国では、
「黒」以外に「白」も喪に服す色と言われいるため、
白い洋服を着る人も多いようです。
そのため、フィリピンの正装である「バロン」も、
葬儀でよく着られる洋服の1つとされています。
私は、お通夜/お葬式ともに黒いパンツに白いシャツ、
白地に黒い花模様のスカーフをはおって参列しました。
【贈り物】
フィリピンでは「お供花 ( Funeral Flowers )」や
お通夜や葬儀などで出す「食べ物」を贈るのが最も一般的。
あと、カトリック教上の贈り物としては
「Mass offering card」というものがあります。
これは送り手が所属する教会にて献金をして、
故人の冥福を祈るための礼拝を行ってもらうよう
依頼したことを知らせるためのもので、
これらのカードは祭壇の横に飾られます。
日本の「お香典」のように、お金をあげる習慣も特に地方などではあるようですが、
(遺族が葬儀の費用を負担しきれない場合など、支援するという意味で。)
私が今まで参列した葬儀では、そのような習慣は見た事がありません。
【初七日/四十九日/命日】
カトリック教上、葬儀が終ってからは大きな記念日は4つあります。
◆亡くなってから9日目
カトリック教においては、どんな状況においても、
何か恵みを与えてもらいたい時、願いを叶えたい時など、
「9日間続けて祈る;Novena」という習慣があります。
それにのっとって、誰かが亡くなった時にも、
亡くなった日から9日間毎日祈りを捧げ、
9日目にはまた親族が集まって礼拝を行って故人の冥福を祈ります。
これは、日本で言う「初七日」と一緒なのかな?
◆亡くなってから40日目
これは、故人の魂が天国へ行く日だと言われているそうで、
ここでもまた礼拝が教会で行われます。
日本で言う「49日」も、これにあたるのかと。
◆亡くなってから1年目、毎年の命日; Death Anniversary
そして「命日」。
この日も当然のことながら、遺族にとって大切な日とされます。
最初の命日には、また親族/友人らが集まって特別な礼拝が捧げられます。
それ以降の命日には、親族らが集まって食事をしたり、
それぞれに違ったかたちで故人を偲びます。
◆All Saint's Day ; 11月1日
命日以外にお墓参りする日として、
前にもお話した11月1日のAll Saint's Dayがあります。
この日には、墓場でピクニックをしたりする習慣があります。
フィリピンならではの面白い習慣、笑。
フィリピンのお葬式。
お国違えばいろいろですね。
来週金曜日は、その奥さんを亡くしたJ-kunの親友の誕生日。
彼は、奥さんとともに闘病生活を送った3年半こそが
今まで生きてきて何よりも素晴らしい時間だったと言いました。
そんなことを言える彼を私たちは心から尊敬します。
どうか彼の奥さんの魂が安らかに眠れますように。
そして、彼の心の傷がゆっくりと癒えますように。
2009年に行った、フランスはコルシカ島で見た白い花。これは、なんてお花だったんだろう...。
*****************************
フィリピンの風が届いたら、応援クリックをお願いします♪
↓クリックするだけで、カウントされるようになっています。
↓こちらも、よろしくね♪(上記とは別のランキングです)
3年半前に「肺がんの末期」と宣告されて闘病生活を送っていた
J-kunの高校時代からの大親友(フィリピン人)の
奥さんが亡くなられたとの知らせが。
心の準備が出来てはいたものの、
いざその日がやってきたら
J-kunも私もやりきれない気持ちでいっぱいに。
まだ38歳という若さで、
しかも7歳と4歳の子供を残して....。
そんなわけで、この一週間は
『フィリピンのお葬式』を経験したKanaboでありました。
ここでは、私の経験上/知識だけに基づいて、
フィリピンの(カトリック教の)お葬式が
日本のものとどのように違うのか、
少しお話することにしましょう。
【儀式】
フィリピンの中でも宗教、地域によってやり方に違いがあると思いますが、
基本的にはまずは「wake ( lamay / paglalamay)」
と呼ばれる儀式から始まります。
これは日本で言う「お通夜」と同じで、
棺に入れられた遺体が祭壇に置かれ、故人の冥福を祈ります。
これは故人宅で行われる場合もあれば、教会で行われる場合もあります。
日本と違うのは、このお通夜が「1日」ではなく、
「3日から長くて一週間」行われること。
これは、国内外含めてより多くの親族/友人らが
故人にお別れを告げられるようにするためだとか。
また、日本では確かお葬式の後に親族/近しい友人との食事会がありますが、
フィリピンの場合はお通夜でも食べ物が振る舞われ、
連日賑やかに過ごす習慣があります。
一通りのお通夜が終ったら「funeral & buriel ; お葬式と埋葬」へ。
フィリピンにお住まいの方であれば、
一度は見かけたことがあるかもしれませんが、
特に地方などでは、お通夜を故人宅で行った場合、
お葬式をあげる教会まで、棺を家族がかついで、もしくは霊柩車に乗せて運び、
その後ろを親族が歩いてすすむ「procession」というものが行われます。
そして教会でのお葬式の礼拝が終れば、埋葬へ。
フィリピンでは「教会」と「墓地」は全く違う場所にあります。
なので、墓地までまた車で移動する必要があります。
墓地についたら、また簡単な祈りの儀式があり、
棺が土の中に入れられたら、親族/友人ら一人一人が「別れ花(白い花)」を捧げ、
最後に故人とのお別れをして埋葬が終ります。
【埋葬の方法】
カトリック教では「土葬」が一般的とされていますが、
ここ最近では「火葬」も増えつつあるようです。
今回のお葬式でも、故人の生前からの希望もあり、
亡くなられた当日に火葬され、
既にお通夜から遺骨が入れられた骨つぼが祭壇に置かれ儀式が行われました。
【服装】
これは皆さんが特に興味を持たれる項目でしょう。
フィリピンの葬儀では、日本のような「黒い喪服」で参列する必要はありません。
(もちろん、それを着てもOK。)
特に赤などの派手な色は避け、落ち着いた色のものであれば、
カジュアルな服装でも問題ありません。
多くの東アジア諸国では、
「黒」以外に「白」も喪に服す色と言われいるため、
白い洋服を着る人も多いようです。
そのため、フィリピンの正装である「バロン」も、
葬儀でよく着られる洋服の1つとされています。
私は、お通夜/お葬式ともに黒いパンツに白いシャツ、
白地に黒い花模様のスカーフをはおって参列しました。
【贈り物】
フィリピンでは「お供花 ( Funeral Flowers )」や
お通夜や葬儀などで出す「食べ物」を贈るのが最も一般的。
あと、カトリック教上の贈り物としては
「Mass offering card」というものがあります。
これは送り手が所属する教会にて献金をして、
故人の冥福を祈るための礼拝を行ってもらうよう
依頼したことを知らせるためのもので、
これらのカードは祭壇の横に飾られます。
日本の「お香典」のように、お金をあげる習慣も特に地方などではあるようですが、
(遺族が葬儀の費用を負担しきれない場合など、支援するという意味で。)
私が今まで参列した葬儀では、そのような習慣は見た事がありません。
【初七日/四十九日/命日】
カトリック教上、葬儀が終ってからは大きな記念日は4つあります。
◆亡くなってから9日目
カトリック教においては、どんな状況においても、
何か恵みを与えてもらいたい時、願いを叶えたい時など、
「9日間続けて祈る;Novena」という習慣があります。
それにのっとって、誰かが亡くなった時にも、
亡くなった日から9日間毎日祈りを捧げ、
9日目にはまた親族が集まって礼拝を行って故人の冥福を祈ります。
これは、日本で言う「初七日」と一緒なのかな?
◆亡くなってから40日目
これは、故人の魂が天国へ行く日だと言われているそうで、
ここでもまた礼拝が教会で行われます。
日本で言う「49日」も、これにあたるのかと。
◆亡くなってから1年目、毎年の命日; Death Anniversary
そして「命日」。
この日も当然のことながら、遺族にとって大切な日とされます。
最初の命日には、また親族/友人らが集まって特別な礼拝が捧げられます。
それ以降の命日には、親族らが集まって食事をしたり、
それぞれに違ったかたちで故人を偲びます。
◆All Saint's Day ; 11月1日
命日以外にお墓参りする日として、
前にもお話した11月1日のAll Saint's Dayがあります。
この日には、墓場でピクニックをしたりする習慣があります。
フィリピンならではの面白い習慣、笑。
フィリピンのお葬式。
お国違えばいろいろですね。
来週金曜日は、その奥さんを亡くしたJ-kunの親友の誕生日。
彼は、奥さんとともに闘病生活を送った3年半こそが
今まで生きてきて何よりも素晴らしい時間だったと言いました。
そんなことを言える彼を私たちは心から尊敬します。
どうか彼の奥さんの魂が安らかに眠れますように。
そして、彼の心の傷がゆっくりと癒えますように。
2009年に行った、フランスはコルシカ島で見た白い花。これは、なんてお花だったんだろう...。
*****************************
フィリピンの風が届いたら、応援クリックをお願いします♪
↓クリックするだけで、カウントされるようになっています。
↓こちらも、よろしくね♪(上記とは別のランキングです)
by kanabomanila
| 2012-09-22 00:48
| フィリピンの習慣・文化